小林裕美子が建築家としての
  経験から、皆様のお役に立て
  ばとお伝えするエッセイです。

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  NO.1 はじめに
  NO.2 家のコンセプトを明確に
  NO.3 人生に必要なものの厳選
  NO.4 プラン作りT
  NO.5 プラン作りU
  NO.6 家事楽・住楽T
  NO.7 家事楽・住楽U
  NO.8 家事楽・住楽V
  NO.9 災害の時に備えてT
  NO.11 災害の時に備えてV
  NO.12 家は環境で決まる
  NO.13 風景になる家を作る
  NO.14 新築かリニューアルかT
  NO.15 新築かリニューアルかU
  NO.16 改装時の注意
  NO.17 ああ DO IT MYSELF!
  NO.18 セカンドハウスの薦め
  NO.19 セカンドハウスの注意点
  NO.20 これからの二所帯住宅
  NO.21 個性的な家をつくろう!

     
  ■災害の時に備えて U

   「引き戸の勧め」

   震災から大分時間が経ちましたが、あれから皆さんはご自分の家の中の地震対策
   を点検された事と思います。私たちの設計に対する考え方も自ずと変わりました。
   建物自体の耐震は勿論ですが、建物は大丈夫でも地震の時に家の中で事故に
   会わないようにすることを、今では特に注意しています。
   震災時の話を聞いてみると、キッチンのスライド式の電気釜置き台がスライドアウト
   して、お釜が勢い良く飛んできた・・とか、食器棚や本棚のガラス戸が開いて中身が
   飛び出した・・とか、ピアノが動いた・・とか、仏壇から位牌その他が飛んできた・・とか、
   昼間だから良かったけれど、夜の闇の中なら怪我しそうな危ない話を沢山聞きました。
   たまたま被災された方の家を設計する事になり、それまで以上にあらゆる可能性を
   想定して、家の中の事故を起こさない様に計画しています。

   そんな中で最も有効と思えるのが日本の伝統である「引き戸」。
   「開き戸」よりスペースも取りませんし、何より何かがぶつかってもその衝撃で開く
   という事が無いので、危ない家具の転倒防止にもとても有効です。大きなものや
   危ない物の前には、出来るだけ引き戸をつけて物を中に収納できるようにしました。
   おかげで色々なものが収納されて室内がすっきり見えます。それに引き戸には止め
   具や錠も揃っていますので、用途に合わせて簡単に開かないように出来ます。
   何より引き戸の引き手が進化しているのにびっくりしました。見た目が素敵なのは
   勿論の事、以前は引き戸を開けるために壁から戸を少し出っ張らせておくのが常識
   だったのですが、今は壁と同じ面まで戸を引いてしまっても引き出せる引き手がある
   のです。だから戸が廊下に出っ張ったりしないので、スペースを完全に有効活用でき
   ます。皆さんもこんなに良い事ずくめの引き戸を今一度見直してみては如何でしょうか。