小林裕美子が建築家としての
  経験から、皆様のお役に立て
  ばとお伝えするエッセイです。

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  NO.1 はじめに
  NO.2 家のコンセプトを明確に
  NO.3 人生に必要なものの厳選
  NO.4 プラン作りT
  NO.5 プラン作りU
  NO.6 家事楽・住楽T
  NO.7 家事楽・住楽U
  NO.8 家事楽・住楽V
  NO.9 災害の時に備えてT
  NO.10 災害の時に備えてU
  NO.11 災害の時に備えてV
  NO.12 家は環境で決まる
  NO.13 風景になる家を作る
  NO.14 新築かリニューアルかT
  NO.15 新築かリニューアルかU
  NO.16 改装時の注意
  NO.17 ああ DO IT MYSELF!
  NO.18 セカンドハウスの薦め
  NO.19 セカンドハウスの注意点
  NO.21 個性的な家をつくろう!
  NO.22 犬と共に暮らす家



 ■これからの二世帯住宅

  二所帯住宅と言うと子供の家族と一緒に暮らしたいおじいちゃんおばあちゃん、
  又は土地が高額なので両親の家を建て直して一緒に住む・・と言う印象ですが、
  普通に1階と2階に分けて住む様な住宅から一歩進んで考えてみましょう。

  ドイツの友人の家は4人のごく普通の家族プラス祖母の5人が暮らす、地上3階
  地下1階の平均的な一軒家です。1階は玄関、庭に続くリビングダイニング、
  キッチン、WC。2Fはマスターベッドルーム、2個室、1書斎、バスルーム。地下は
  1個室、セラー、WC、裏庭に続く家事室です。そして3階は祖母のアパートメントで、
  1個室、リビングダイニング、キッチン、バスルームです。
  特筆すべきは、高齢の祖母がわざわざ3階に住んで、毎日階段を上り下りする様に
  しています。それは足の悪い祖母のリハビリの為で、勿論この家にエレベーターは
  有りません。それと彼女は同じ家の中ですが完全に独立した生活を送っていて、
  食事も自炊して一人で食べています。4人家族と食事を共にするのはイースターや
  クリスマス、お客様との特別の時だけです。お菓子作りが得意で、3階から甘い香り
  が漂って来ると家族はたまらずに3階に上がって行って、お菓子を食べたりコーヒー
  を飲んだり、祖母との楽しい時間を過ごします。
  リハビリと言えば、ミラノの「高齢の音楽家の為の家」もやはりエレベーターの無い
  3階建の家で、主旨は同じです。両者とも、年寄りがどうにも動けなくなったら1階に
  引っ越させる事で対処し、動けるうちは出来るだけ動かなければ暮らせない様な家に
  しています。

  考え方は今流行のバリアフリーの正反対ですが、それも一理あります。高齢になった
  から1階に住む、バリアフリーにする・・・と言うのは高齢者を大切にしている様で、
  ある意味持てる力をダメにしているとも言えます。本当に動けなくなった時の対策
  さえ考えてあれば、最初から高齢仕様にする必要はありません。また同じ家だからと
  言って何もかも一緒に生活する事が良いとは言えません。親世代子世代どちらに
  とっても良い形を考えてみて下さい。