小林裕美子が建築家としての
  経験から、皆様のお役に立て
  ばとお伝えするエッセイです。

  別項を読む

  NO.1 はじめに
  NO.2 家のコンセプトを明確に
  NO.3 人生に必要なものの厳選
  NO.4 プラン作りT
  NO.5 プラン作りU
  NO.7 家事楽・住楽U
  NO.8 家事楽・住楽V
  NO.9 災害の時に備えてT
  NO.10 災害の時に備えてU
  NO.11 災害の時に備えてV
  NO.12 家は環境で決まる
  NO.13 風景になる家を作る
  NO.14 新築かリニューアルかT
  NO.15 新築かリニューアルかU
  NO.16 改装時の注意
  NO.17 ああ DO IT MYSELF!
  NO.18 セカンドハウスの薦め
  NO.19 セカンドハウスの注意点
  NO.20 これからの二所帯住宅
  NO.21 個性的な家をつくろう!

       
  ■基本的な家のプラン

  「家事楽・住楽 T」

  この章では「如何に家事を楽にして、楽しく住まうか」というテーマでお話しします。
  家事を楽にと言っても、最新の設備の話ではありません。家事を楽にするプラニング
  の基本を、皆さんに考えていただきたいと思います。たとえ、家事をすること事自体
  が趣味であったり、古い家を改装して住む場合でもベーシックな考え方は共通です。
  毎日のルーティーンな仕事に成る可く余分なエネルギーと時間をかけないで、好きな
  ことに集中して生活できる様考えてみましょう。

  先ずは何と言っても掃除を楽にする事です。
  その秘訣は設計上複雑なディテールを作らない
  事、いわゆる出隅、入り隅が少ない事に尽きます。
  例えば、掃除機が入らない程少ししか空いて
  いない靴入れや棚を作らない。高い所に埃だまり
  を作らない。
  細い格子やブラインド等掃除が面倒な部分を
  作らない。掃除機やモップが入らない曲がりや、
  隙間を作らない、等々です。判断の基準として
  は、自分が掃除機を使う事などを想像してみる
  ことです。それでは素敵な空間が作れない、と
  思うのは早計です。解決はそんなに難しい事
  ではありません。玄関の靴入れを床から浮かせて
  作りたければ、靴入れの下の空間を沢山とって下さい。物入れや戸棚は適当な
  高さで止めずに天井まで造り付けて下さい。不要な隙間は無くした設計にして下さい。
  掃除機やモップや雑巾で表面をササッとなでれば綺麗になる様に、出来るだけ凸凹を
  少なくする事です。

  次に、外部からの埃や雨水などを入りにくくする事です。例えば、掃き出し窓のすぐ
  外が土の庭では風で土埃が入りやすいのです。タイル張りのテラスや濡れ縁で
  埃を防ぎましょう。網戸をつけるのは勿論ですが、サッシのレールも掃除し易い物を
  選びましょう。レールの掃除は結構大変なものです。また、FIXの窓等は、安全に
  外からガラスの掃除が出来るように、足場になるバルコニーの様な物をつけましょう。
  最初はいくら素敵でも汚れたガラスはいただけません。今流行の庇の無い窓もNG
  です。外観はすっきり素敵に見えるかもしれませんが、雨の多い日本の気候には
  合いません。空気を入れ換えようと少しだけ窓を開けて出掛けたら、急に雨が降って
  雨で床が水浸しなどよくある話です。家に居たって窓を閉めるまでに吹き込んだ雨
  でも床や壁を早く傷めます。そうした場合の雑巾掛けも一仕事です。庇があれば、
  そんな被害を防げますし、庇をつけてもいくらでも素敵なデザインは出来ます。
  どんなに少しでも庇をつけましょう。

  電気のコンセントなどは出来るだけ沢山四方八方につけましょう。その方が便利な
  のは勿論ですが、電気製品のコードが床上を這い回っていると歩行にも危険ですし、
  埃だまりにもなりやすく掃除も面倒です。シャンデリアなどの照明器具もどうしても
  気に入った物以外は、デザインが素敵で簡単に掃除が出来る形の物を選びましょう。
  これらのことは一つ一つは小さな事ですが、全てが合わさると大きな家事楽につな
  がります。