小林裕美子が建築家としての
  経験から、皆様のお役に立て
  ばとお伝えするエッセイです。

  別項を読む

  NO.1 はじめに
  NO.2 家のコンセプトを明確に
  NO.3 人生に必要なものの厳選
  NO.4 プラン作りT
  NO.5 プラン作りU
  NO.6 家事楽・住楽T
  NO.8 家事楽・住楽V
  NO.9 災害の時に備えてT
  NO.10 災害の時に備えてU
  NO.11 家は環境で決まる
  NO.12 風景になる家を作る
  NO.13 新築かリニューアルかT
  NO.14 新築かリニューアルかU
  NO.15 災害の時に備えてV
  NO.16 改装時の注意
  NO.17 ああ DO IT MYSELF!
  NO.18 セカンドハウスの薦め
  NO.19 セカンドハウスの注意点
  NO.20 これからの二所帯住宅
  NO.21 個性的な家をつくろう!

                
  ■基本的な家のプラン

  「家事楽・住楽 U」

  今回の家事楽は、収納です。収納量がかなりあることは絶対に必要ですが、沢山あれ
  ば良いという物ではありません。あまり有り過ぎると不要な物をため込んで、必要な物
  が見つからないと言うことにもなります。収納は一見して中の物が直ぐ分かり、取り出し
  やすい深すぎない奥行きと構造で、必要量は全てまかなえる適量(不要な物はためら
  れない)を確保する事が肝心です。

  例えば、家事の中で特に手が掛かるのは洋服の夏物と冬物の
  入れ替えです。私が長年住んでいた日本と同じように四季のあ
  るイタリアでは、夏冬の入れ替えは有りませんでした。何故かと
  いうと、クローゼットの収納量が夏冬分確保されていたからです。
  クローゼットは少なくとも一人2m位必要と言われていますが、
  出来れば一人3m位欲しいところでしょう。それがワンシーズン
  とすると夏冬で一人6m位になります。イタリアの様に天井が高
  い部屋で天井までのクローゼットがあれば、3mのクローゼットの
  上下2段に洋服が掛けられて都合6m分になります。さらに余っ
  た一番下の段にバッグや小物などの収納が可能です。もしこれ
  だけ収納が確保できれば、あなたも洋服の夏冬入れ替えから
  解放されるかも知れません。皆さんはこんな収納量は多すぎると
  思われるかもしれませんが、どんなに素敵な家を建てても、生活
  空間に不要なものが溢れてしまえば快適な暮らしは無くなってし
  まうのです。

  この要領で洋服だけでなく、書籍、食器類、
  ゴルフバッグ、靴や予備の寝具など、生活に
  必要な所持品の量や大きさをリストにしてみ
  ましょう。それらを見やすく、取り出しやすく
  収納する事が大きな家事楽につながります。
  これらはただ入れるだけでなく、出し入れを
  安全に行えるように最初から計画する事も
  大切です。特に高いところに入れた物を取り
  出すには、梯子や踏み台が必要です。書棚
  や収納棚には梯子をスライドして掛けられる
  様なスチールバーと、美しくデザインされた
  梯子等を最初から設置しましょう。洋服掛け
  等は上段のバーを前に倒して低い位置で
  洋服を取り出せるような物もありますし、
  クローゼット内に踏み台代わりのキャスター
  付き小箪笥などを設置することも手です。

  尚、ついでですが一頃流行ったウォークインクローゼットなどはあまりお勧め出来ません。
  沢山収納できて確かに便利かも知れませんが、一つの部屋として始終出入りする以上、
  ただのクローゼットに比べて埃もゴミもずっと多くなりますし、入室する度に点ける照明で
  洋服の生地が焼けて傷みます。クローゼット内の掃除も結構大変ですし、洋服一枚一枚
  にカバーを掛ける等面倒な仕事が増えます。

  どうですか?家造りの最初の計画一つで大きな家事仕事を割愛できるのです。
  家造りって面白いと思われませんか?